M&Aの仲介手数料が高すぎる、みたいな話はよくある話である。仲介会社からすれば、それなら他でやってください、という話なのだと思うが、なんせ例えば、売り手側から2,000万、買い手側から2,000万というと取引あたりのコストは4,000万という事だから、まあ高いといえば高いのかも知れない。
しかし、M&A仲介は、手数料が高いから悪だ、とか、両手から手数料を取るから悪だ、とかいうステレオタイプな考え方については、「よく考えた方がいい」とお伝えしたい。
まず手数料が高いか安いか、という判断軸だが、そもそも価格というのは価値提供との対比で判断されるべきである。価値提供>2,000万であれば、安いという判断になるわけである。手数料についてはこの公式に当てはめて考えていただくと良いのかも知れない。
そして、仲介形式であろうが、FA形式であろうが、何れにせよ両方にアドバイザーをつける場合は、両側でコストが発生する。仲介会社は両手から手数料を徴収するので1取引あたりのリターンは多くなるのは事実だが、いずれの形式でも発生するコストに大きな差はないであろう事はお伝えしておきたい。
そうであっても、両手から手数料を徴収することで発生する利益相反関係が腹に落ちないという視点であれば、最初からFA形式でのアドバイザリー契約をベースに取引を進めていくのが良いだろう。
「第193話 仲介手数料に対する理解の乏しい経営者に怒りの鉄槌」をYouTubeで視聴される方はこちらからどうぞ。
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