第177話 表明保証条項を見据え、売り手はどういう姿勢で買収監査に臨むべきか

大手専門会社が入って売りアドを締結した場合、その後の案件化作業にて、徹底的な情報整理やヒアリングが行われる。一方、それを実施したとしても、売り手側が情報開示を拒めば開示されていない情報が表に出てくる事は無い。
未払い残業がありますという話は、多くのM&Aの取引の中で見かける話である。不良資産が存在するという点も然りである。

一方、このストーリーでは売り手が押さえておくべき、非常に重要な論点が語られている。売り手は、最終契約書において、多くの事について、表明し保証をしなければならない。具体的に言えば、今回のケースであれば未払い残業がない事や、資産が帳簿通り存在する事など、である。そしてそれに違反すればそれらは全て損害賠償請求の対象になる事となる。

もし仮に、買収監査で当該事実が認識されていた場合は、その認識した事実を除いてという形で最終合意を締結する事になるのだが、そうでない場合は、隠れた瑕疵に対しては全てが損害賠償請求の対象となる。すなわち、そういった瑕疵を誤魔化して取引を進める事は、決して売主の利益に適わないという事である。

買収監査時に積極的に情報開示し、全てのウィークポイントを共有した上で最終合意をするべきであって、今回、シナリオの中にもあった通り、業務中間報酬を買い手が負担している為、買収監査で瑕疵が見つかったとしても、株価減額をせずに最終合意まで漕ぎ着ける事ができた可能性はある。

繰り返しになるが、M&Aにおいて誤魔化しは禁物。何事もオープンに、正確に、誠実に情報開示をしていく事が、結果的に売り手・買い手双方の利益に適うのである。

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第177話 表明保証条項を見据え、売り手はどういう姿勢で買収監査に臨むべきか①
第177話 表明保証条項を見据え、売り手はどういう姿勢で買収監査に臨むべきか②
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第177話 表明保証条項を見据え、売り手はどういう姿勢で買収監査に臨むべきか⑨

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