第166話 表明保証条項をどのように考えるか

株式譲渡契約締結、資金決済までには、プレDDもすれば、基本合意契約後に買い手が売り手に対して買収監査などを実施したりするなどして、買収対象企業が持つ瑕疵について、徹底的に調査を進める。一方、どれだけ調べても売り手と買い手とは立場が逆である為、情報の非対称性が完全に埋まる事が無い。その溝を埋めるための一つの手法が、「表明保証条項」であると言える。

通常、仲介会社による仲介の場合、表明保証条項については、売り手側に相当多くの表明保証を強いる様な契約書ひな形であるケースが多い。株券の存在から、税務申告の適正性、労働問題の不存在、土壌汚染が無いこと、など非常に多岐にわたる保証を売り手は強いられる事になるのが大半である。

大半の事案においては、売り手オーナーは比較的まとまったお金を手にするだろうし、オーナーが地元の名士である事も多い為、この表明保証条項というのは、もしもの時の瑕疵に対して確かに有効に機能すると言える。

一方、表明保証違反に基づき損害賠償を請求するにしても、無い袖は振れないという事で売り手に保証能力が無ければこれは何の意味もなさない。それをカバーするものとして表明保証保険などの開発が進んでおり、こちらは今後の実務への応用に期待しているのだが、ここからわかる事は、契約内容も大切なのだが、誰から買うかという事がそれ以上に大切だという事である。

もし私が多額の資金を通じて買収を実行するなら、必ずその会社の経営者の情報をつぶさに調べ上げる。仲介者からの情報だけでは情報にバイアスがかかる可能性があるので、あらゆる手を使って側面調査をするだろう。一方、そのタイミングで帝国データバンクなどを使うと、売り手にバレる可能性もあるので注意が必要だ。
逆に売り手側から考えると、会社を売る時というのは、経営者自身が見られているという事なので、常日頃からそれを意識して経営する事が、よりスムーズに会社を譲渡する秘訣であると言えよう。

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