第126話 株式価値評価をなめてはいけない

中堅中小企業の株式価値評価とは、M&Aを進める上で、非常に重要な取り組みである。売り手からすれば自分の会社の価値を、一定の公正妥当な物差しで把握すると言う重要な目的があるし、売り手買い手から見れば、プレDDの様な要素を含んでおり、ここでいかに精度の高い評価やインタビューを実施するかで、その後のディールの成約率に大きな影響を与えるものと私は考える。
故に、この段階の手続きは、決して事務的に対応してはならず、気合を入れてインタビューなりをするべきものであるし決してなめてはいけない。

近年では、大手専門会社などは、ここの手続きについて、それ専門の会社を立ち上げ、一人の担当者が多くの案件に対応できる様に効率化を図っているが、確かに効率化という観点では良いのかもしれないが、その泥臭い手続きを経験している人間と、していない人間とでは、情報を読み解く深さに大きな差があり、後々のディールコントロールに影響を与えるものと私は考える。

さて、今回は、譲渡対象会社が、中堅中小企業の株式を保有していたケース。上場株式であれば日々株式市場で価格が変動するので、いずれかの日の終値を基準に時価評価をすれば良いのだが、中堅中小企業の場合は、どこを見ても価格を示す物差しはない。
とはいいながら今回の様なケースでは、仮に譲渡対象企業が株式を保有する会社がM&Aで株式を譲渡するとなった場合は、簿価の500万円と比較して多額の売却益が発生する事は想像に難くない。

当該株式保有が、譲渡対象会社の事業継続に必須のものであるなら、税理士などの専門家を挟んで株式価値を算定し、それで売り手が納得する場合はそれにて時価評価を実施するか、あるいは、会社を譲渡部分の会社と、当該株式保有の会社に分割するというのも一つの解決法になろう。
何れにせよ、こういった株式の評価をスルーして簿価で評価すると言うのは専門家としてあるまじき行為であろう。

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第126話 株式価値評価をなめてはいけない①
第126話 株式価値評価をなめてはいけない②
第126話 株式価値評価をなめてはいけない③
第126話 株式価値評価をなめてはいけない④
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