第121話 買収監査の論点、棚卸資産をどう考えるか

中堅中小企業のM&Aのディールにおいては、売り手と買い手の感情というのは、逆の動きで進んでいく。すなわち、売り手の感情というのは会社を売るという決断をする、最初のアドバイザリー契約時が最もテンションとしては高い事が多い。そして、そのテンションは買い手と面談し、基本合意契約締結に進むに連れて次第に下がってくる。すなわち、そこまでくると譲渡後の人生を考え出す事が多いという事である。

一方、買い手はその逆で、企業概要書を受け取って買いのアドバイザリー契約を締結する時は、その案件の魅力に取り憑かれ、ワクワクしている状況である。一方、基本合意契約を締結し、買収監査まで進むと、ここからはいよいよ買い手のテンションは最高潮まで上がってくる。それまで検討段階でお花畑だった状態から、一転、資金の出し手としてリスクを取る段階に移行するからである。

今回は、そんな買収監査における一コマであるが、メーカーにおいて棚卸資産の妥当性の検証は非常に難しい部分がある。何ヶ月が妥当かと言った議論自体も非常に難しいし、デッドストックがどのぐらいあるかという事の検証も簡単ではない。一方、買い手からすれば、棚卸資産残高が月商の5ヶ月分もあれば、不安になるという事は理解出来なくはない。メーカーで本当にタイトに棚卸資産残高を管理している会社は月商2ヶ月分ぐらいを目安に管理しているし、その倍以上となると在庫の不良化や粉飾を疑うのはわからなくはない。

一方、粉飾をする企業というのは、在庫の増加と共に借り入れが増加しているケースが多く、マックス山本ファクターにおいてはそう言った虚偽の申告をするクライアントからのオファーを受ける事は無い。当該企業についても、借り入れ規模が非常に少ない企業であった為、全く粉飾といった不安はなかったが、先回りをして裏付けを取っておく事で、買い手の下手くそな指摘を一蹴している。

セルサイドのアドバイザーが、売り手をしっかりと熟知し把握しているという事がディールを進める上で、いかに重要かという事をご理解いただける作品と言える。

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第121話 買収監査の論点、棚卸資産をどう考えるか①
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