第117話 競業避止義務への理解を今一度

中堅中小企業のM&Aにおいては、その事業の運営に関するノウハウや、ネットワーク・人脈などは、譲渡対象企業の株主であるオーナーに帰属している事が多い。

今回のケースについても、シコシコ組の受注先や外注先はその株主であり社長である四股田社長に圧倒的に帰属している。そして、四股田社長は、あろう事か会社を売却してその後すぐに、同業を買収して同じビジネスを再開しようとしているのである。実際にこういった事が行われた場合、四股田社長が関与する会社は、譲渡対象会社の圧倒的な競合先となるのは容易に理解できる。

またこの場合、買い手であるネロネロ建設は、四股田社長からシコシコ組の事業運営について十分な引き継ぎを受けることは期待できず、シコシコ組の企業価値は大きく毀損してしまいますし、買い手が想定している株価の前提が大きく狂う事となる。
故に、例えば株式譲渡契約書に以下の様な条項を設けることが一般的である。

売主は、買主が事前に承諾した場合及び対象会社にて職務を遂行する場合を除き、対象会社が現在営んでいる事業又はこれに類似する事業を、その関与形態を問わず、直接又は間接に行ってはならない。

今回は、マックスが事前に売り手の不穏な動きを押さえていた為、このタイミングで釘を刺す事でこのリスクはかなり低減できると考えるが、この手のケースにおいては、ありとあらゆるパターンによる競業避止が想定できるように思うので、具体的な禁止事項をできる限り細かく書いておく事が適切と言えよう。
一方、実務で競業避止がそこまでクローズアップされる事案は圧倒的に少ないが、案件数の増加に伴い、また、若い経営者の譲渡が増える事で、今後このテーマでのトラブルが増える事も十分想定されるのではないだろうか。

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第117話 競業避止義務への理解を今一度①
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