第103話 自行取引先に迎合するクソ下手な地銀アドバイザーの仲介

ちょっと今回の作品は過激である。ゲスマルク銀行の買い手側のギラギラ製作所の担当支店長が吉良社長から賄賂を受け取るシーンがあるが、正直筆者が過去金融機関に勤める中で、こういったシーンに出くわした事は一度もない。が、おそらくだが、ここまで極端でなくとも、自社に有利な取引の見返りに何らかのリターンを担当者や担当支店長へ返すという事は、金融機関においては、バブル時期のみならず、未だに少なからず残っているというのが実態なのでは無いだろうかと思う。

さて、今回は、銀行員が顧客から賄賂を受け取っているみたいな下世話な事を伝えたかったというわけでは無い。私がここでお伝えしたかったのは、「M&Aにおいて地域金融機関は真に中立的な仲介者には成り得ない」という事である。仲介という取引は、売り手と買い手の利害関係が相反する、「利益相反取引」である。売り手が高く売ろうと思うし、買い手は安く買おうと思う。取引条件をめぐってはシーソーゲームの様な構造になっていると言える。金融機関の本業は、今なお、「融資業務」である。金融機関は、その取引先に融資取引を行っている。債権者という立場は、一見金を貸すという点で、債務者に対して優越的な立場にある様に思えるが、これは一概には言えない。

例えば、融資先の財務内容が極めて良好で、銀行から融資の残高維持を要請する様な、いわゆるVIP取引先の場合、銀行はその取引との力関係において、交渉力を持てないケースが存在する。例えば、融資残高が極めて大きく、かつ財務内容が良好な取引先の場合、当該支店の支店長は、絶対にその取引先の機嫌を損ねる事はできないのである。

そういった取引先に、譲渡案件情報を持ち込んだ場合、売り手・買い手にとって真に中立的な助言ができると言えるだろうか。
地域金融機関が単独で仲介をするという事は、取引先にとってデメリットこそあれ、メリットなど一つも無いと筆者は考える。利益相反の問題に加え、M&Aアドバイザリーにおける最大の付加価値といっても過言では無いマッチングの選択肢についても、専門会社のそれと比較して大きく劣後するからである。
実態は、自社の利益最大化の為に、情報の非対称性を濫用しているといっても過言では無い。真に顧客目線で役務提供を行う金融機関が、今後生き残っていくと私は考える。

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第103話 自行取引先に迎合するクソ下手な地銀アドバイザーの仲介①
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