第95話 法人税法上の限度額を超えた退職金支給〜損金不算入にご注意を〜

今回は、結構ハードコアな内容である。
基本合意契約で一定の譲渡対価総額が合意された後、その内訳を株式譲渡対価と退職金部分で分けるという調整は、大半の株式譲渡において実行される調整では無いだろうか。その中でも今回フォーカスするのは、退職金の課税に関する論点である。役員退職金は税務上認められる範囲内で損金算入が認められる。しかし、その範囲や支給金額の算定について明確な規定等は存在せず、勤続期間、退職理由、類似法人の支給状況等を総合的に勘案して判断される事になる。

一般的に損金算入が可能な役員退職金金額とは、「最終報酬月額×勤続年数×功績倍率」を目安に検討されるケースが多い。
今回は、上記数式で検討した目安金額は1億である中、買い手の意向で8億円の退職金を支給したケースにおいて、税務的に当該役員退職金が否認された時、契約当事者にどういった影響があるのか?という事について説明している。

まず、譲渡対象会社であるが、こちらは税務当局に役員退職金の支給が過大という指摘を受けた場合、過大部分については損金不算入という事となるのは間違いない。一方、この場合において過去の事案に基づくと、退職金の支給を受けた側についてはあくまでも過大部分も含めて退職所得として算定される為、影響が無いというのが今回の説明である。

筆者としては本件取引は税務的な否認リスクが高いと考えるし、実務上はこういったリスクを買い手が積極的に取ってくるケースは稀有である(譲渡対象企業は譲渡後買い手の参加になるので譲渡対象企業の損金算入が否認されるという事は、買い手がリスクを負うという事である)。また、仮に進めるにしても、事前に税務署に確認をするというアプローチは外さない様にしたい。

第95話を今すぐ漫画で読む

第95話 法人税法上の限度額を超えた退職金支給〜損金不算入にご注意を〜①
第95話 法人税法上の限度額を超えた退職金支給〜損金不算入にご注意を〜②
第95話 法人税法上の限度額を超えた退職金支給〜損金不算入にご注意を〜③
第95話 法人税法上の限度額を超えた退職金支給〜損金不算入にご注意を〜④
第95話 法人税法上の限度額を超えた退職金支給〜損金不算入にご注意を〜⑤
第95話 法人税法上の限度額を超えた退職金支給〜損金不算入にご注意を〜⑥
第95話 法人税法上の限度額を超えた退職金支給〜損金不算入にご注意を〜⑦
第95話 法人税法上の限度額を超えた退職金支給〜損金不算入にご注意を〜⑧

第95話を今すぐ動画で視聴する

「第95話 法人税法上の限度額を超えた退職金支給」をYouTubeで視聴される方はこちらからどうぞ。

第95話をYouTubeで視聴する

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。