第90話 回収見込が立たない債権の取り扱い

譲渡対象会社の資産価値の評価、及び簿外債務の認識というのは、今まで再三お伝えしてきた通りで、株価に影響を及ぼす部分である。単純に、上場有価証券の評価損益を株価に反映したり、あるいは、土地価格を時価ベースで評価し直す、といった事であればその合理的根拠でもって株価に反映をさせるだけの話である為、議論としては比較的シンプルである。

一方、第90話においては、譲渡対象会社の取引先へ有する売掛債権について、売り手側は100%回収が可能と認識しているが、買い手側は不良債権であるとして1億円の減額を希望している。
また、買い手目線で考えると、LOI後の株価減額に向けて、交渉的要素でこういった意見を述べている可能性は十二分にある。自身が対応をしてきた中堅中小企業のディールにおいては、LOI後に株価減額がなされたケースは肌感覚で1割程度であり、事前に論点を押さえてかなりガチガチの内容でLOIを締結する事が多い。あたかも最終合意であるかのようなレベルまで詰めきってLOI締結まで導くケースは非常に多いのである。

本件においては、話の中にあるように、減額はせずに一旦LOIの価格で最終契約・資金決済を実行し、債権回収が確定し回収されるまで、買い手が当該金額分の定期預金に質権設定をするという手法で調整するやり方は妥当である。
情報の非対称性をあの手この手の調整手段で成約まで導いていく能力はアドバイザーに求めらる重要な能力の一つであろう。

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第90話 回収見込が立たない債権の取り扱い①
第90話 回収見込が立たない債権の取り扱い②
第90話 回収見込が立たない債権の取り扱い③
第90話 回収見込が立たない債権の取り扱い④
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第90話 回収見込が立たない債権の取り扱い⑥
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